北条クリニック おおの | 心療内科・内科・精神科

7月1日より診療を開始します。

初診の方は、お電話いただければ幸いです。

開院2週間ほどは、直接来ていただいてもお受けできると考えますが、お待ちいただく時間が生じるかと思います。

予めご了承ください

2015年6月29日 1:15 PM

ご予約について

6月29日(月)まで、初診のご予約は橋本南ファミリークリニックで承ります。
橋本南ファミリークリニック電話番号:042-763-0075
※受付時間 午前8:30~11:50、午後16:15~18:20

6月30日(火)より、北条メンタルクリニックでの受付となります。
電話番号のお間違いにご注意ください。

2015年6月18日 1:23 PM

【お知らせ】7月1日開院

7月1日(水)より北条メンタルクリニックを開院いたします。
当院については、理事長挨拶院長挨拶をどうぞご覧ください。
これからこの相模大野で、精神科医療に貢献してまいりたいと考えております。

2015年6月15日 11:12 AM

身体表現性障害症例

胃カメラやCTでも何の問題もないって言われたんです。

憂うつな気分になるとか、眠れないとか、幻聴があるだとか、そういった症状があれば、多くの場合心療内科や精神科を受診し、治療が行われます、ところが一見、心の病気とは思えない症状で苦しんで、たくさんのクリニック、病院を受診されていたり、様々な検査が行っても原因がわからない、と治療が進んでいない事があります。

六月の梅雨に入る直前の頃でした、ご主人に付き添われ50歳前後の女性が受診されました。困っているのは、吐き気と胸やけで、検討違いな受診かもしれないんですが、と、ご主人は大変恐縮されていました。ご本人はというと、化粧っけのない地味でおとなしい印象の方で、「眠れない事もないし、家事はできているし、生活には何も困っていない、ただ胸がつかえるるような感じが続き吐き気もずっとある、しかし実際に嘔吐した事はない、ただ吐き気があるから食事があまりとれず、この二ヶ月で7キロも痩せてしまった」との事でした。内科の受診歴をお聞きすると、近くのクリニックから始まりいくつかの大きい病院の名前をあげられ、「血液検査はもちろん、エコーもやってみました、最終的には、胃カメラやCTでも何の問題もないって言われたんです」と徐々に早口になりながらお話になられました。

こんな風に体の不調が続き、受診や検査をしても原因がわからず、症状も軽減しないと、誰もがイライラするものですが、そういった範囲をこえた焦燥感を問診中に感じ取ったのと、器質的には何も問題がなかったという事から、身体表現性障害もしくはうつ病の身体症状と判断し、ごく少量の精神科薬を処方しました。外来治療ですので、どうしても副作用が気になる事もあり、少なめの薬でスタートしたので、副作用が出ない事を確認したら来週の受診の時に増量しようと思っていました。

翌週のわたしの外来日は梅雨入りし雨が降っている事も手伝ってか、調子の悪い患者さんが多く、わたし自身も少しずつ気が重くなりつつ、先週受診された胃の不調を訴えていた女性を診察室へ呼び入れました。わたしは(調子がさらに悪くなって代わりに妹さんがみえた)と思ってしまったほどに見違えた、化粧をきちんとし先週より5、6歳若返った印象の女性が元気に診察室にはいって来られ、「嘘みたいに調子がよくなりました、先生ありがとうございました」と笑顔で握手を求められました。
その後数ヶ月で慎重に薬を減量し、通院されなくなりましたが、通院中にお聞きした話ではこの四月に息子さんが大学に入学され、家を出たという事でした、年齢的にも更年期ですし、うつ病になりやすい条件が重なっていました。

こんな風によくなられる方は正直に言って稀なんですが、こんな方がいらっしゃるから我々も頑張れます、この方は心療内科を卒業された後もインフルエンザのワクチンを打ちにきたり風邪をひいた時に受診したいただいたりして、わたしもパワーをいただいています。

2015年6月15日 11:07 AM

アルコール依存症進行の仕方

アルコール依存症は、
機会飲酒→習慣性飲酒→耐性の形成→精神的依存→身体的依存
と進行します。
普通はお酒を飲む目的は、主にアルコールによって得られる肉体的・精神的変化、つまり気分がよくなるとかつらい事が忘れられるという事にあります。
初めのころは毎日飲むわけではなく、何かの機会に時々飲むだけという機会飲酒から始まります。
しかし、何らかのきっかけで毎日飲む習慣性飲酒に移行する人がいます。
毎日飲むようになると同じ量の飲酒では同じように酔うことができなくなり、次第に飲酒量が増えていくことになります、つまりお酒が強くなるわけですが、このことを耐性の形成といいます。このように毎日お酒を飲む人すべてがアルコール依存症患者であるとは言えませんが、何らかのきっかけがあればさらに飲酒量が増え、いつの間にか依存症に陥ってしまうという危 険性があると言えます。
このような状態になると、本人が自分の判断で好んで飲酒しているようにみえ、患者自身も好きで飲酒していると錯誤(勘違い)している場合が多いのですが、依存が重度になると断酒によって肉体的・精神的に離脱症状(禁断症状)が出てしまうので、楽しむためではなく離脱症状を避けるためにお酒を飲み続けることになります。このような状態に陥ってしまうと、もはや自分の意志だけで酒を断つことが極めて困難といえます。

2015年6月11日 12:49 PM

アルコール依存症の疫学

日本の飲酒人口は6,000万人程度と言われていますが、このうちアルコール依存症の患者は230万人程度であると言われています。飲酒者の26人に1人がアルコール依存症という計算になり、精神疾患の中でも罹患率が高い病気であるとも言えます。(ちなみにうつ病の生涯有病率は15人に一人から7人に一人、統合失 調症は100人に一人と言われています。また、糖尿病患者は700~800万人ですからその三分の一もいわゆるアル中の人がいる事になります)
また、体格やホルモンの影響から男性よりも女性の方が少量の飲酒で依存症に陥ってしまう危険が高いと言われています。

2015年6月11日 12:49 PM

アルコール依存症例

彼は、診察中ずっと机の上から何かを拾い続けていた

私が精神科医になって三年目、あるアルコール依存症の患者さんと出会った話をしたいと思います
その当時、何例かのアルコール依存の方がアルコールプログラムの入院をされた際の主治医を任されてはいましたが、この病気はなかなか治らないと、手応えがないまま治療に当たっていて、本音を言えばアルコール依存症の方は診たくないと思っていました。

そんな頃に外来を受診された方がいました。62才の、男性で、酔って転落し、ケガは幸い軽症だったのですが、これを機に酒をやめると決意され三日を過ぎたあたりから様子がおかしくなったとご家族に連れられて受診されました。彼は、診察中ずっと机の上から何かを拾い上げるような仕草を続けていました、依存症が身体依存まで進行していたところで急に酒をやめたため離脱症状が出ており、早急な治療が必要であると判断し、すぐに隔離室へ入院となりました。
ガイドライン通りの投薬を行い回復を待ちましたが、1週間たっても、彼は部屋の隅や布団の上から何かを拾い続けていました。おかしい、教科書的には通常二、三日で治まるはずの離脱症状が1週間経っても治まらない、少し焦りを感じ、色々な文献を調べたり、先輩医師のアドバイスを求め、通常の倍量のビタミンB群を投与したところ、徐々に離脱症状が出現する時間が短くなり、入院から1ヶ月を経過し、ようやく離脱症状が収束し、一般病室に移りました。

彼は、有名大学を卒業し、名の知れた企業で働かれていた方なんですが、失礼になるかもしれないですが、そういった面影を感じる方ではなかったです。ご本人はケガをした時も懲りたけどトコトン懲りた、酒はもう飲まないと言って、二週間後の外来を予約して退院していきました。
退院後1週間もしないうちに予約より前だけど受診できないか?と奥さんから連絡が入りました。受診していただくのはもちろんOKですが、けっしていいサプライズでない予感でいっぱいです。受診していただくと以前の離脱症状とは全く違った、あたかも認知症の方の周辺症状のような症状です。様々な症状を抑えるために少量の抗精神病薬は処方されていたのですが、それでは抑えきれない強い症状でした。奥様と相談し、再度入院していただきました。結局、半年強入院して、回復して退院されました、その後は再発する事なく月に一度通院されていましたが、全くの別人で、やり手ビジネスマンであった事を彷彿させる立ち居振る舞いです。

一年近く、棒に振ったけど、元に戻れて本当に感謝している、あと少し酒をやめるのが遅れていたら元に戻れなかったかもしれない、あのタイミングで先生と出会えて本当によかった。と語ってくれました。

2015年6月11日 12:48 PM